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2013年03月13日

陸前高田

「陸前高田」この文字をみると思い出す。

ある女の人からの電話。
あれは震災からどのくらいたっていたかなぁ。
たぶんそれほど経ってなかった。

いつものように電話とると、小さくかすかな声で

「衛星電話なのであまり長く話せません、すみません。~の母ですが息子が見つかっておりませんので、寮をキャンセルしたいのですが。」

なんて言ったらいいかわからなかった。

苦しくなって、どうしたらいいかわからなくて、
「キャンセル料はいただきません…また何かあればご連絡ください…ご連絡、本当にありがとうございます…」

多分こんな薄っぺらいことぐらいしか言えなかった。
何も気持ちが入ってない、思いやりのないことしか。

そのあと…というか今も、あの時こう言えばよかったんじゃないか、なんで何も言えなかったんだろうと何度も思う。
あのお母さん、一体どういう気持ちで、どんなに気持ちを奮い立たせて、電話してくれたんだろう。

そんな場合じゃなかったろうに。
それともこんな状況だから、息子さん自身のことでなく、
ほかに意識を向けていたほうが気が楽になったんだろうか。

今、どうしているんだろう。
息子さん見つかったんだろうか。
あのお母さん、どうしているんだろう。

陸前高田



もしもう一度そんな機会があったら、何が言えるんだろう。
たぶん、やっぱり何も言えないんだろう。






Posted by プッタ at 18:50│Comments(0)
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